各書類の書き方・考え方
「書類の書き方」とは、形式的なことと実質的なことの両方が必要です。
書類は、その相手方や提出先によって様々に考え方を変えなければなりません。
そこで、【1、行政庁に提出する書類、告訴状】【2、手紙(内容証明)】【3、契約書】【4、遺言書】を代表例として基本的な考え方をいくつかご紹介します。
【1、行政庁に提出する書類】
(各種許認可等にかかる申請書類、届出など)
これは原則として、事実を伝えればそれで足ります。
様々な申請書は、自分が望む結果があるのを前提としていますが、形式に沿って淡々と事実を伝え・手続きをすれば、良い処分・悪い処分がされます。
例えば、身近な例としてある住民票の請求。これは、用紙に淡々と事実を記入すれば交付処分がされます。
交通違反の免停・免許取り消し処分の軽減にかかる書類も書き方は決まっておりませんが、こちらの分類に入るでしょう。
【1-(1)、行政庁でも警察の場合。告訴状・告発状】
(傷害罪・脅迫罪・名誉毀損罪・窃盗罪・詐欺罪・恐喝罪・強制猥褻罪・強姦罪など)
ただ、告訴状の場合は少し違います。事実を述べるのを原則とするのは当然ですが、明確な書き方もありませんし、いかに受理してもらって捜査機関に捜査してもらうかと言うことももちろん、最終的なことも考えなければなりません。準司法作用のある検察や司法である裁判所までを考慮する必要があるからです。
警察にも告訴状の受理・捜査義務はあるのですが、なかなか難しいところです。逆に、受理・捜査義務があるから難しいとも言えます。(被害届けは警察に捜査義務が無いので比較的簡単に受け付けてくれます。また、親告罪的事件では、明確な処罰意思が無ければ、警察は投げやりになるでしょう。)
刑事告訴は、専門家である弁護士や行政書士でも、被害者と共に悩み努力するところなので、一般の方が一人で刑事告訴をするのは非常に大変です。法律や判例の勉強を相当しなければなりませんし、受理されるテクニックも必要です。そして、なによりも加害者に対する自分の感情を殺して、客観的な事実を主に書かなくてはならないのが一番大変で心苦しいところだと思います。
【2、手紙(内容証明郵便)】
(損害賠償・慰謝料・貸金返還・賃金不払い・支払い請求、退職願、クーリングオフ・解約・拒絶通知、ストーカー対策など)
内容証明は自分の主張を、相手方に明確に伝える方法の一つです。
書式が決まっており、「だれが、いつ、だれに出した」と言うのが公的に明確になる制度です。催促の証拠にも時効停止の証拠にもなります。
また、一定程度期待できる効果としては、心理的効果だと思われます。そこに専門家の職印(印鑑)があれば、さらに心理的効果は高いと言えるでしょう。
送る時に注意するポイントは、法的な効果を導くための事実(要件事実)を述べることが必要です。内容証明であれば、法的な事が一定程度解かることはもちろんですが、感情的にならずに感情を込めることです。
例えば、金銭消費貸借契約(お金の貸し借り)での要件事実とはどういうものか。
「私と貴方でお金の貸し借りの約束があった。貴方は私からお金を受け取った。約束では何日までに返すことになっていた。その日が来たのに貴方は返さない。だから返せ。」このような感じです。
では、感情的にならずに感情を込めると言うのは、どういうものか。
感情的になって、害悪を伝えてしまうと脅迫ないし恐喝罪になります。ですから、違法にならない権利行使、例えば「返してくれないなら裁判します。」と伝えることになります。場合によっては相手の心を打ちたいとする文章を書く事もあります。例えば「会社を辞めたいのに辞めさせてくれない」と言う場合、辞め方としては穏便に済ませたいところです。これらは、依頼者の信条や書く者のセンスにより変わります。
【3、契約書、協議書、和解・示談書】
(金銭消費貸借、売買、建物賃貸、贈与、離婚・遺産分割協議、交通事故示談など)
これらの書類は名称は違っても、すべて契約です。
契約は、口約束で成立するのが原則ですが、書類を作ることによってお互いの約束を明確にして、後の紛争を防止するために作ります。
もちろん書類には法的なこと(要件事実)を盛り込まなければならず、それが無い場合は非常に不安定になったり無効になるものもあります。
例えば、先の内容証明のようにお金の貸し借りであれば、お金の授受が実際に無ければ不成立ですので、授受があったのなら後のことを考えて書くべきです。また返済期限も定めておかなければ、催告をする手間も出てきます。
また、そもそも書面にしなければいつでも撤回させてしまう贈与契約や、契約が成立しない保証契約や連帯保証契約もありますし、反社会的だったり不利益で許されない契約内容もありますので注意が必要です。
【4、遺言書】
遺言書は、子孫などの相続人に対する遺産分割を円滑に行う機能や、自らの意思を相続人に伝えたりするものですが、求められる形式が非常に厳格です。直筆で書かなかったり日付を明確に書かなかっただけで無効となります。
自分の意思を後世に伝える為に書いたのに、全てが無効となることは絶対に避けたいものです。
確実にするためには、行政書士のサポートの上で直筆証書にしたり公正証書にしたほうが確実です。
簡単にそれらの説明をしますと、
・直筆証書遺言は、一定の形式を満たせれば作成は簡便ですが、発見されない恐れや廃棄の恐れなどがあり、また、相続人が裁判所による検認手続きと言うものを受けなければなりません。
・公正証書遺言は、公証役場に保管されていますので紛失や改ざんなどの恐れは無くなりますし、検認の手続きも不要でスムーズに相続手続きが進みますが、公証人に対する費用が少々かかることです。もっとも、後日の紛争を考えれば安いと言えるでしょう。
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